★★髪は死んでる、根本が伸びているー長井医師解説
女性の方は特に髪の毛がきれいとか、キューティクルできらきらしている
という表現をよくされると思います。
こんなキレイな健康的な髪の毛が実は、死んでいるという事実はなかなか知られていません。
でも美容師さんや理容師さんの間では常識でもあります。
もし指を切ったら?痛いですね。でも髪の毛を切ったら?痛くないです。
この事から考えると確かに!と思えるかもしれません。
では髪の毛を抜いてみたら?少し痛いかもしれない。
それも正しくて、厳密には頭皮から出て目に見えている毛は死んでいるけど、毛穴から下の方の毛だけが生きている!その為にこんなことが起きる。と思われます。
ではなんで死んでいる毛が伸びるのか?最もな疑問です。
でも毛穴から下の生きている部位の毛がどんどん伸びれば、毛の長さも長くなるのです。
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はじめに)英国皮膚科学ジャーナルの最近のジョーンズらの原稿です。
毛幹が真皮乳頭の近位面の最初の1mm以内で死亡し、この領域の最初の0.5mm以内で、
細胞核の破壊を含む、前もって規定された「細胞死プログラムを受ける」ことを示しています。核分解後、この無核状態でもミトコンドリア呼吸と新しいタンパク質翻訳が継続します。(翻訳とは、mRNAの情報に基づいて、タンパク質を合成する反応を指します)
これらの細胞核がない、いわゆる脳のない「ゾンビ」細胞は、ミトコンドリアが破壊され、細胞死が明白である1mmのマークまでの部位において、事前にプログラムされた一連の指示によって、毛幹の構造の最終タンパク質を作成および架橋し続けます。
平均的な頭皮の毛包は長さが最大4mmなので、新しく形成された髪の残りの約3mmは損傷を受けやすく、頭皮内および毛包外の影響による酸化的損傷に対する活発な細胞防御がありません。私の考察これがいわゆるイントロです。
昨日書いた、目に見えている毛は死んでいる、つまり毛幹の部位は実はほとんど死んでいて、それは毛の始まり(皮膚下方)から、1mmを超えた部位からである。
0.5mmから1mmまでの間においては、細胞核がないつまり死んだ細胞のはずなのに、
ミトコンドリア呼吸(食物を分解する過程でエネルギーを取り出すこと)
と新しいたんぱく産生や架橋を続けることが、まるでゾンビのようだと表現しています。
死んだ細胞と生きている細胞の境目は0.5mm程度の部位だろうと思われますね。
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私の私見)上記の内容は、染色方法で実際の毛包機能を調べて、明確になった事実に基づき説明がしてあります。
この下図の中で

左側に0から4mmまで、1mm刻みのスケールがあり、毛包に対してそれぞれ染色を
赤
青
緑で染め分けています。この一番右側の画像を日本語にしたのが、これです。

緑色の部位が細胞増殖の上限です。そこから細胞核の劣化が始まり、細胞核がなくなりますが、タンパク質の合成は続き、ミトコンドリアの活性も続いています。
何度も出てきたように毛球下端から赤色の矢印の1mmの高さで髪の毛細胞は完全に死にます。英国皮膚科学ジャーナルの最近のジョーンズらの原稿です。
最後です。

討論)
分子レベルでの適切な髪の構造は、健康的な外観、輝き、および健康そうな感じである。
皮肉なことに、この生き生きとした健康に見える髪は、実際には死んでいて、
頭皮(毛穴)から出た後の細胞は再生しません。髪の毛の起源は、整容的な毛の繊維を構成する、特別な細胞が詰まった非常にアクティブな毛包です。

ジョーンズ氏らの原稿の中での問いである、「どの位置から生きている細胞が死ぬという移行が起こるのか?又転換の中で、どんな分子プロセスが起きているのか?」
に対して論文では毛包の中で、活発に呼吸する有核細胞から無核細胞構造への移行は、
強く健康な髪の毛の繊維を作る鍵です。
この特殊な形の細胞死、または角質化には細胞オルガネラが必要で、これは慎重に調整され、再活性された酸素、種に依存する架橋により強化されたケラチンの束を細胞質に詰め込むことを可能とします。
この研究は毛幹を構成するケラチンタンパク質のためのスペースを作り、頭皮の奥深くまで健康な髪をもたらす髪の毛の先端から1mm以内で起こる生から死へのプログラムへの段階的な進行を示しました。
私の考察)
ゾンビという面白い画像を見て、この論文を訳してみましたが、実はとても奥深く、とても有益な内容でした。
核がなくなって、死んだはずの細胞の中のミトコンドリアが活発に活動したり、タンパク質合成が行われていることが強く健康な髪の毛の繊維を作る鍵で、それがゾンビのように見えたということでした。おつきあい、ありがとうございました。
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